薬を飲めない原因と対策(編集中)

ご高齢者本人が、「自分は薬を飲む必要がある」と認識していても、何らかの理由でうまくできない場合があります。

その原因と、対策について考えてみましょう。

薬が飲めない原因

「薬が飲めない(飲み残す)」という場合に、想定される原因をいくつか列挙します。

 

・物忘れにより飲み忘れることがある。

・服薬と生活習慣が合致していない。

・認知症により「薬を飲むこと」を記憶できない。

・指先が不自由で、錠剤やカプセル剤を、シート(PTP、ヒートシール)から取り出せない。

・指先が不自由で、一包化された薬包を、開封できない。

・薬の味が苦手で飲めない。

・薬を飲みこむときに、むせこんだり、のどに引っかかる。

 


たまに飲み忘れる場合の対策

ほとんどの薬は飲めているけれど、たまに飲み忘れる。

といったことは、年齢を問わず、誰でもあることです。

このようなケースであれば、お薬カレンダーや、お薬ケース、服薬時刻を知らせてくれるアラームなどが有効です。

さまざまな製品が市販されていますし、「電子おくすり手帳」と呼ばれるスマートフォンアプリも活用できます。

 

認知症により薬をほとんど飲めない場合の対策

自宅で暮らすご高齢者で、認知症が進行した場合には、薬をほとんど飲めないケースが発生します。

そもそも薬を服用することを記憶していなかったり、お薬カレンダーやアラームを使用しても、その意味(所定の時間になったら所定の薬を飲む)が分からなかったりする場合もあります。

 

こうなると、一筋縄ではいきません。

 

・その日に服薬する薬を毎日テーブルの上に出しておく

・薬を飲むタイミングで電話をかけて知らせる

・薬を飲むタイミングで訪問する(訪問介護サービスを使う)

 

といった方法が考えられますが、毎日続けるのはなかなか大変です。

このようなケースですと、服薬時刻になると薬を出してくれる「服薬支援装置」が効果的です。

FUKU助をご利用のお客様より、「お母さまの薬の飲み忘れが少なくなった」という喜びの声をいただきました。

服薬と生活習慣が合致しない場合の対策

「毎食後」の薬が処方されているけれども、一日二食しか食べない生活をしている。

日中は外出することが多く、昼食後のお薬を飲み忘れる。

といった、生活習慣と服薬が合致しないことで、服薬がうまくいかない場合もあります。

 

このようなケースは、処方医と相談することをおすすめします。

服薬後に効果が長続きするお薬もありますので、「1日2回服用」や「1日1回服用」など、生活習慣に適した処方に変更できるかもしれません。

 

身体的な問題がある場合の対策

指先の力が弱い、手先が震えるといった、身体的な問題により服薬できない場合があります。

このようなケースは、以下のような対策が挙げられます。

 

・錠剤やカプセル剤をシートから取り出して一包化する

・シートから薬を取り出す補助具を使用する

・薬包を開けるための補助具を使用する(レターオープナーなど)

 

漢方薬が飲み込みにくい場合の対策

漢方薬を服用するときに、粉がむせたり、のどに引っ掛かるように感じる場合があります。

このような場合は、ぬるま湯に漢方薬を溶かしてから飲むことで、飲み込みやすくなります。

 

また、味が苦手な場合は、オブラートに包んでから飲み込むと、味を感じにくくなります。

 

「薬の味が嫌い」な場合の対策

薬の味が苦手な場合は、オブラートに包んでからお水と一緒に飲み込んだり、服薬補助ゼリーを使うと、味を感じにくくなります。

 

また、 「粉薬」や「顆粒薬」といった薬の場合、口の中で薬が溶けるので、味を強く感じることがあります。

この場合、錠剤やカプセル剤といった溶けにくい剤形に変更できることがありますので、処方医にご相談ください。

錠剤やカプセル剤が飲み込みにくい場合の対策

高齢になると嚥下機能が低下するため、粒が大きな錠剤やカプセル剤を服用する際に、のどに引っ掛かるような違和感を感じる場合があります。

このような場合には、服薬用のゼリーなどを活用すると、飲み込みやすくなります。

また、粒の小さな錠剤や、粉薬に変更したり、服薬補助ゼリーなどを使って飲み込みやすくすることをお試しください。

 

※錠剤やカプセル剤を粉砕したり割ったりする場合は、必ず医師または薬剤師にご相談ください。

「徐放剤」や「腸溶剤」といった錠剤の場合、粉砕・分割により血中濃度に影響するおそれがあります。