高齢者への服薬介助の工夫

「薬を飲んだことを忘れて、もう一回飲んでしまった…」

「何度言っても、貼り紙をしても、薬を飲み忘れている…」

 

ご高齢者への服薬介助は、困りごとが尽きません。

病院や施設であれば、スタッフが薬を手渡してくれることもありますが、家で暮らしているとそうもいきません。

 

なぜ薬が正しく飲めないのか、どうしたらその困りごとを乗り越えられるのか、さまざまな原因と工夫を紹介します。


薬を飲んでくれない

ご高齢者が薬を飲んでくれない(飲み残す)場合、「飲めない」か「飲みたくない」の二つの原因があります。

まずは、飲んでくれない原因を調べてから、その原因を取り除く工夫を試してみましょう。

飲めない(服薬したいができない)

ご高齢者本人が、薬を飲むことが必要だと認識していても、何らかの理由でできないケースです。

軽い物忘れのこともあれば、認知症により「薬を飲むこと」自体を記憶できない場合もあります。

また、薬の取り出しにくさや、味・飲みこむときの不快感などにより、服薬できない場合もあります。

飲みたくない(薬が嫌い)

何らかの理由で、薬の服用を拒否するケースです。

薬の副作用が嫌いといった場合もあれば、服薬することに本人が納得しておらず、薬への不信感により服薬を拒否する場合もあります。


薬を飲み間違える

ご高齢者が薬を飲んでくれるものの、用法などを誤ってしまうケースです。

薬によっては、低血圧や低血糖を引き起こしたり、眠気やふらつきにより転倒の原因になったりすることもあるので、注意が必要です。

 

例えば、以下のようなケースが挙げられます。

 

・服用する錠数を間違える

・服用するタイミングを間違える(朝食後の薬を毎食後に飲んでしまう)

・飲んだことを忘れて重複して飲んでしまう